息子(1歳4か月)が4月から通う保育園がやっと決まりました・・認可外です。
認可、認可外ともに10か所以上の保育園を見学に行き、やっと、やっと、やっと納得のいくところで、しかも空きのあるところが見つかりました(-_-;)
「保活うつ」「保活疲れ」なんて言いますけど、
もう本当にそういう状態ですよね。
理想を追ったらキリがないの。どこかで妥協しないと。
息子の通う保育園は「モンテッソーリ」と「レッジョ・エミリア・アプローチ」を取り入れた教育プログラムを導入しているところです。
最初、「え?レッジョってなんですか??(;^ω^)」って感じだったんですが、
保育士の友達に聞いたところ、「えーー!!!レッジョ・エミリア・アプローチって保育士試験の試験範囲じゃん!教育原理で出るよ??」と言われたんです。
私「えっ、私、もう一通り勉強したけどそんなの聞いたことないよ!!( ゚Д゚)!!」と反論したところ、
友人がテキストの写メを送ってくれました。。。
私「なぬー!!え~、なんのテキストにのってたの?」
友人「これ。私、教育原理3回落ちてるからね(笑)。三回目のときは全社協のテキストでガッツリ勉強したよ。」
あ~、例のアレですね(笑)。
やはり市販のテキストは薄く作られているんだなぁと実感しました。
それとも、私のテキストが2015年版だから、2016年には載っているのかな?わからないですが・・。
息子も4月から取り組むことになるので、この機会にしっかりレッジョ・エミリア・アプローチを勉強してみたいなとおもいました。
レッジョの解説書「驚くべき学びの世界」
驚くべき学びの世界―レッジョ・エミリアの幼児教育 佐藤学監修
詳しく勉強しようと、手に取ったのがこの本。
レッジョ・エミリアに関する教育記録が作品、教育環境などのたくさんの写真とともに掲載されています。おそらく本書ほど、レッジョの魅力を語るのにふさわしい本はないと思います。すんごい分厚いですが、写真が豊富で意外とサラッと読めます。紙面がアーティスティックなので、美術館に行っているような気分になり、感性に訴えかけてくるものがあります。。
監修されている佐藤学先生は、私が東大時代に教育学部で習っていた、私の大好きな先生です。本当に「教育の方法論」に熱い先生。黒板に手書き、という古風なスタイルなのに全然眠くならない、不思議な授業をされます。「学びの共同体」理論で有名で、教育現場でのこども同士のやり取りなどのダイナミクスが学びを深めるという論点で研究されています。
最近では、安保法に反対する学者の会で、よくテレビにも出ていました。
レッジョ・エミリア・アプローチって?
レッジョ・エミリアとは、北イタリアの小さな都市の名前です。ここで行われている創造性あふれる教育法は「世界で最も優れた教育」(1991年ニューズウィーク誌)に取り上げられてから、世界中で有名になりました。
この教育法は、20世紀を代表する傑出した教育実践家ローリス・マラグッツィによって開発されています。
簡単に言ってしまえば、レッジョ・エミリア・アプローチは「アートの創造的経験」を通じてこどもたちの潜在的可能性を最大限に引き出そうとする試みです。
語弊を恐れずいうのであれば、「芸術教育」に近いものです。
レッジョ・エミリアの幼児教育は、乳児保育所(0~2歳)と幼児学校(3歳~6歳)においてそれぞれ展開されます。そこでは、「ピアッツァ」と呼ばれる共通の広場と、教室に大小二つの「アトリエ」(美術室)が設けられています。
「アトリエリスタ」(芸術の専門家)と「ペタゴジスタ」(教育学の専門家)が配置され、教室ごとに二人の保育者によるチームティーチングが行われます。
毎日特定のテーマにそって、自然物と人工物の豊富な素材を活用した美的活動が行われおり、これを「プロジェクト」と呼んでいます。そして、その創造的活動を「ドキュメンテーション」によって記録し、共有することで「学びの共同体」が作られていきます。
レッジョ・エミリアの実践記録
こどもたちが活動を行う「アトリエ」(美術室)には、自然の中にある石・葉っぱ・土などのほかに、人工物として工場ででた廃棄品や、毛糸・布・針金などが自由に使えるように配置されています。
こどもたちが、想像力をめぐらせて思いついたことをすぐに形にできるよう、工夫されています。自分の表現したいことを、とことん突き詰めていきます。
毎回のテーマはそれぞれ違いますが、この本の中ではホールにある「円柱の部屋」にプレゼントをしましょう、という内容が紹介されていました。この壮大なテーマに立ち向かうべく、こどもたちはまず自分の考えた素敵な円柱を表現しています。
個性があふれてておもしろいですよね。
この個人個人の違いから、友達同士でいろんなことを話し合うんです。
これはなに、どうしてそうなってるの、なんでこうしたの・・・
そういう対話から想像力はさらに膨らんでいきます。
ひとりではなく、複数の友達と一緒にこういう活動をすることで「学びの共同体」ができていくプロセスになっています。
乳児保育所(0~2歳)は、まだまだ友達同士の関わり合いをもつのは難しい時期。
しかし、色や形をテーマにして、様々な素材に触れたり、光の色彩をみることなどによって、五感をつかって感性を磨いていくことができます。ものによっては、きちんと作品としてかかわることもできます。
例えば「白」をテーマにした例↓
さまざまな触感にふれて、赤ちゃんなりに想像力をはたらかせながら、その素材を自分なりに楽しみます。
「ティッシュは鼻をかむもの」なんて決めつけているのは、大人だけですもんね(笑)
いろんな触り方、かかわり方を通じて、「重さ」「柔らかさ」「ものの動き」などを自分でとらえていくことができます。
まとめ
いかがでしたか。
この本の帯には、実は谷川俊太郎先生からのメッセージが入ってるんです。
子どものアートが開く知性と想像力の可能性。
世界最高レベルの教育メソッドの記録。
レッジョを見ていると、物語を作らないがゆえに
かって、生きている瞬間瞬間を積極的に、
そしてリアルに体験することにつながっている感じがします。
なんだかとても素敵な響きだと思います。
この本の中のこどもたちのピュアなこどばひとつひとつから、「あぁ、こどもの想像力って無限大だな」と感じさせてくれます。
久々にじっくりと教育法に関する本を読みましたが、これは本当にオススメです。
Amazonの書評に「直訳すぎてわかりにくい」とありましたが、むしろこれはイタリア語のニュアンスやアーティスティックな部分を残すためにわざとそうなっていると思われます。こどもたちの言葉は、すごく意訳されてわかりやすくなっていますし、本書の訳し方は私は芸術性や教育学的価値を下げないための最善の訳し方だと感じました。
4月から息子がどんなことするのか、いまから楽しみです^^
驚くべき学びの世界―レッジョ・エミリアの幼児教育 佐藤学監修
楽天:驚くべき学びの世界 レッジョ・エミリアの幼児教育
↓↓いつも応援ありがとうございます↓↓
にほんブログ村
コメント
こんばんは。
レッジョエミリアを検索していたら、またこちらのブログにたどりつきました(笑)
いい本を教えてもらえて良かったです。
お子様、いい保育園が見つかったようで良かったですね。
うちもアフタースクールですが、近所にレッジョエミリア思考のスクールができて、入学できそうです。なんと私がインターンをさせてもらえそうで楽しみにしています。あとはモンテッソーリの認定講師講座を受講したいと思っているんですが、受講料が高いし、遠いしでなかなか手が出ないでいます。。
Kasiaさま
コメントありがとうございます!「レッジョエミリアアプローチ」と検索するとかなり上位に表示されるのです・・ご訪問ありがとうございます(笑)。レッジョやってるスクール増えてきているんですね。インターンうらやましい!モンテッソーリの認定講師、私も検討しましたが、こどもがいながらガッツリ講習を受けるのも難しいですしね・・。資格があるとモンテやってる保育園でお給料よく雇ってくれそう~とは思うのですが。あと、私の子供が通ってる保育園でモンテッソーリのワークショップを受けて、やっぱりモンテの理論にすごい共感してしまいました。手先が器用になるっていうことは脳の活性化にもつながるらしい・・。なにより、こどもが「楽しみながら集中できる」時間を提供できるのは素敵ですよね。レッジョもそうですが。こどもたちが大人になるころには人工知能がだいたいのことはやってくれる世の中だと思うので、芸術的な才能や感性を磨くことで、独自性・創造性のある人になることは大事かな、と思っています。
レスありがとうございました!ちょうど私もAIのことを考えていたところでした。これからは創造力、独自性ですよね!モンテは子供のツボをおさえてて、よくできてるな〜って思います。モンテの保育園羨ましいです。うちの方にはないです。幼稚園も公立しかなく、選択肢なしで…今、娘は工作に大ハマりでまさにレッジョがしっくりきそうなので、アフタースクールで発散してもらおうかと思います。
今後もブログ楽しみにしてます。
Kasiaさま
返信が遅くなってしまいました。工作をハマってやっていらっしゃる娘さん素敵ですね!やっぱり手先が器用で、自分のやっていることに集中できるのってとてもいいことだと思います。幼稚園のアフター、いいところが見つかってよかったですね!うちも幼稚園検討しましたが、夏休み・冬休みがネックですよね・・。私ももうすぐ働きに出る予定なので・・。今後もぜひブログに遊びに来てください^^