母子・父子家庭への支援は十分?相談先、経済的支援、母子家庭等日常生活支援事業・母子生活支援施設まとめ

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先日、妹の友人(A子さん)から相談がありました。

A子さんは日本で知り合ったアメリカ人と結婚し、こどもを授かりましたが、すぐにA子さんの母が他界して、日本に身寄りがいなくなったため渡米。アメリカの義実家近くで3歳になるこどもと夫とともに3人で暮らしていました。

しかし先日、「夫と口論になった際、全身にあざができるほど殴られたあと、首をしめられた。証拠のために全身の写真をとり、病院に行ったところ、医師から『通報義務がある』と言われて警察沙汰に。夫は逮捕され、現在離婚協議中。」とのこと。

「このままアメリカにいても友人もいないため日本に帰国したいが日本に身寄りがおらず、経済的にも不安である。どういった公的サービスが使えるか?」という内容でした。

まず日本の「ひとり親世帯」の現状をみてみると、

平成23年度調査の結果(厚生労働省HPより)
母子世帯数 123.8万世帯(前回115.1万世帯)
父子世帯数 22.3万世帯(同24.1万世帯)

世帯の平均年間収入
母子家庭 291万円(同213万円)
父子家庭 455万円(同421万円)

母子家庭の平均年収は291万円となっており、これは手当金も含めた金額なので、実際に就労している母親の収入としては160万円ほどと言われています。平成22年の国民生活基礎調査では、子育て世帯の51.3%が世帯年収600万円以上で、平均世帯年収にすると697.3万円いう結果も出ており、それと比較するとどれだけ経済的に大変な状況になっているかわかると思います。

A子さんのように、DVを原因として母子家庭になる人もいれば、夫に早く先立たれた人、認知されなかった人、様々な理由で母子・父子家庭になっている家庭が日本にはたくさんいます。今回は、DV被害を受けた人への支援についてと、母子・父子家庭の世帯が利用できるサービスについて、保育士試験でも頻繁に出題されている部分に注目しながらまとめます

まずどこに相談するか?

DV被害を受けており、これから離婚を考えている人や、早急に避難が必要と判断されるような場合には、各都道府県に設置されている女性センター(男女共同参画センター、ウィメンズプラザなど)に連絡をとって適切な指示を仰ぐことが必要です。
内閣府のHPから、DVに関する相談先の連絡先一覧が入手できます。
配偶者からの暴力被害者支援情報(内閣府)

とにかく、まずはじめに、こういったDV相談ができる機関に電話をして、支援の輪に入れてもらうことが大切です

自分ひとりで悩まない。公的機関にSOS情報を共有してもらうことで、守られた環境を一緒に作ってくれるたくさんの人と連携が取れます。

DV被害は受けていないけれど、母子家庭・父子家庭などのひとり親になる予定のある人、なってしまった人に対する支援策について具体的に聞きたい場合は、自分の住んでいる地方自治体の福祉課などに問い合わせることが大切です。「ひとり親 ○○市」などのようなキーワードでググれば担当する自治体のHPにたどりつけます。

ひとり親家庭に対する経済的支援

ひとり親家庭の相対的貧困率は50.8%となっており、こどもの貧困は大きな社会的問題となっています。ひとり親のハンディを軽減し、こどもが健やかに成長できる環境を確保するためにも経済的な支援が不可欠となっています。

児童手当

ひとり親に限らず、児童のいる家庭には児童手当が支給されています。

0歳~3歳未満 15000円
3歳~小学校修了前 10,000円(第1子・第2子)
15,000円(第3子以降)
中学生 10,000円
所得制限世帯(年収960万円以上) 5000円

この金額は一か月でもらえる金額です。支給は年3回行われます。

児童扶養手当

父母が離婚した児童、父または母が障害の状態にある児童を養育する父または母に支給され、2010年から父子家庭も対象となりました。

児童1人目 全部支給 42,000円
一部支給(10円刻み) 41,990円~9,910円
児童2人目 5,000円
児童3人目以降 3,000円

児童扶養手当には所得制限があり、所得に応じて10円刻みで減額されます。ちなみに、全部支給の42000円がもらえるのは、こども1人の家庭であれば年収130万円以下の世帯です。年収260万円程度になると支給額は0円になります。

*児童が日本国内にいないときは支給されません!

子育て世帯臨時給付金

消費税が増税したことに伴う子育て家庭の負担を軽減するため、2014年には子供一人あたり1万円、2015年には3000円が支給されていました。しかし、2016年からは廃止されています

母子寡婦福祉貸付金

生活資金、住宅資金、就学支度資金など12種類の貸付金があり、資金の種類によって返済期限や利子の金額が異なります。
”借金”であるため、返済する必要があります。

教育訓練のための給付金

支給条件はいろいろありますが、スキルアップや就職のために資格取得を目指す場合、受給できる給付金の制度があります。保育士は高等職業訓練促進給付金の対象資格となっており、大学・短大・専門学校などで2年以上かけて学ぶ場合には生活費が受給できる可能性があります。
ちなみに、一番人気の資格は看護師だそうです。確かに、年収ベースでみれば、この制度を使って看護師免許を取った方が、ゆくゆくの家計にとってはお得だと思われます。(そういった点からも、保育士不足の原因はやはり「低賃金」なんじゃないの~と思ってしまいます。)しかし、看護師であっても乳幼児を養育中で、夜勤・休日勤務ができない場合、年収300万円以下になるケースは多いです。

(1)自立支援教育訓練給付金
母子家庭の母又は父子家庭の父の主体的な能力開発の取組みを支援するもので、雇用保険の教育訓練給付の受給資格を有していない人が対象教育訓練を受講し、修了した場合、経費の20%(4千1円以上で10万円を上限)が支給されます。

(2)高等職業訓練促進給付金等事業
母子家庭の母又は父子家庭の父が看護師や介護福祉士等の資格取得のため、2年以上養成機関で修業する場合に、修業期間中の生活の負担軽減のために、高等職業訓練促進給付金が支給されるとともに、入学時の負担軽減のため、高等職業訓練修了支援給付金が支給されます。
○ 高等職業訓練促進給付金
【支 給 額】  月額100,000円 (市町村民税非課税世帯)
月額 70,500円(市町村民税課税世帯)
【支給期間】 修業期間の全期間(上限2年)(平成25年度入学者から)
○ 高等職業訓練修了支援給付金
【支 給 額】  50,000円(市町村民税非課税世帯)
25,000円(市町村民税課税世帯)
【支給期間】 修了後に支給
(対象資格の例)
看護師、介護福祉士、保育士、歯科衛生士、理学療法士等

詳しくは
厚生労働省HP⇒母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業の実施について

そのほかの手当・控除

扶養する子どもが障害児である場合などは特別児童扶養手当などの支給もあります。また、医療費助成、税金の減免、保険料免除など、様々な支援がありますが、現金支給という点でみれば、いままでみてきた児童手当と児童扶養手当しかないと言えます。

・児童育成手当
・特別児童扶養手当
・遺族年金
・母子家庭・父子家庭の住宅手当
・生活保護
・ひとり親家族等医療費助成制度
・乳幼児や義務教育就学児の医療費助成
・所得税、住民税の減免制度
・国民年金・国民健康保険の免除
・交通機関の割引制度
・粗大ごみ等処理手数料の減免制度
・上下水道の減免制度
・非課税貯蓄制度(マル優)
・保育料の免除と減額

シングルマザー必見!母子家庭を支援する手当と助成金制度まとめより抜粋

母子家庭等日常生活支援事業とは?

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保育士試験でも児童家庭福祉で試験範囲となっていますが、母子家庭等日常生活支援事業とは、病気や就学などの社会的事由によって一時的に介護や保育のサービスが必要な母子家庭・父子家庭に低額で支援員を派遣して必要なサービスを行うものです。
表をみればわかるように、ベビーシッター、家政婦といった役割の支援を低料金で利用することができます

母子生活支援施設の入所はできる?

保育士試験でも頻繁に出題される母子生活支援施設ですが、実際にどこにあるのか?申し込みは誰でもできるのか?料金は?など知らないことも多いですよね。
まず、母子生活支援施設の対象と目的は、「配偶者のない女子またはそれに準じる事情のある女子とその児童を入所させて保護・支援し、退所した者の相談・援助を行う」とあります。
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厚生労働省から発行されている資料によると、入所理由の1位(約50%)は「配偶者からの暴力」となっています。 入所申し込みは各自治体の「福祉事務所」から行います。
料金は所得税・住民税額などに応じて異なります。生活保護世帯、住民税非課税世帯であれば無料です。光熱費は実費でかかります。

全国社会福祉協議会の母子生活支援施設についてというサイトが簡潔で非常に参考になります。

保育士試験によく出る「母子生活支援施設」のこと!

<児童現員数>
・母子生活支援施設:6000人
  里親委託中:3800人
乳児院:3000人
情緒障害児短期治療施設:1000人
児童自立支援施設:1000人
自立援助ホーム:300人
・3年に1回の第三者評価が義務
・設備基準:一部屋30m2以上(調理設備、浴室、便所つける)
・職員配置:母子支援員、嘱託医、保育士、調理員、心理療法担当職員(必要のある母子が10人以上いる場合)

まとめ・あとがき

いかがでしたか?ひとり親家庭に対する経済的支援は十分だと思われたでしょうか?それとも少ない?

今回上記ではとりあげませんでしたが、重要なセーフティネットのひとつに、生活保護があります。現在、母子家庭・父子家庭ともに、約1割の人が生活保護を受給しています。生活保護費は、居住している地域によっても違いますが、東京23区であればひと月あたりの最低生活費用として約16万~18万円と計算されるので、児童手当+児童扶養手当でもそれに達しない場合のみ、差額を生活保護として受給することができる制度です。勘違いされている方が多い点ですが、生活保護費をまるまる16万もらえるわけではないのです。

政府は、できる限り自立した生活をしてほしいという観点から、「母親の就労支援」に力を入れており、過去の保育士試験でも出題されていますが、ハローワークとは別に、マザーズハローワークというものもあります。「働いて自分で稼いで、国からお金をもらわずに生きていってね!」というメッセージは社会の公平性という観点からは国民に受け入れられやすいと思います。

しかし、児童扶養手当が収入130万円以上で減額、年収260万円で打ち切り、というのはどう考えても少ないのでは…と思ってしまうのが私の実感です。母親の年収が260万円になった時点で、児童手当しか受給できなくなるので、ほかの子育て世帯(平均世帯年収697.3万円!)と同じ金額しか現金支給がないのです。

それと、もうひとつ考えておきたいのが、「本当はこどもと一緒に過ごす時間を長くとりたいのに、シングルマザーになったから、働かなければならない」という基本的な価値観についてです。離婚した時点でこどもがいるカップルでは、こどもの年齢は0~2歳が最多です。手のかかる乳幼児を抱え、ひとりでこどもを育てていくには並大抵の体力・気力が必要であると思います。そこに、”働いて稼げプレッシャー”を社会がかけることは、こどもの福祉という観点からも望ましいことではないように感じます。貧困と虐待には関係があります。こどものいのちを社会が守るためにも、”あたたかい気持ちを持ちながら、ひとり親が子育てできる権利”を保障していく必要があるのではないでしょうか。「お金の余裕はこころの余裕」といいますが、豊かなこころを持ちながら愛情あふれる育児をしていくために、社会で支えあう仕組みがもう少し充実してもいいのではないかと思うのです。

私も妊娠中からフルタイムで勤務し、出産後2か月で職場復帰しました。しかし、夜勤あり、休日出勤ありの労働時間の長い職場であり、子育てに対する理解も乏しく「18時からの会議に出なかった奴なんていままでいない」「こども優先なの?…はぁ(溜息)」「役立たずすぎる!」などと言われ、肉体的・精神的にまいってしまい、こどもが10か月のときに仕事をやめざるをえませんでした。こどもとたくさん触れ合いたいときに、それができない寂しさを抱えながら、歯を食いしばって働いて、やっと家に帰ってきてもこどもと遊ぶ体力・気力・元気が残っていませんでした。気持ちの上では、たくさん愛情を注ぎたいのに、産後でボロボロの体力と擦り減らされたメンタルでは、食事さえのどを通らないほどに疲弊していました。

主人が働いているため、収入はなんとかなる、という状況があったから、私はいったん仕事を離れて、じっくりこどもと向き合う生活が可能になっています。しかし、もしも母子家庭だったら。。。こどもを抱えて仕事をする、「両立」って本当に難しいことなんです。母子家庭の母親に「働かなくても生きていける権利を!」なんて言ったら社会から猛バッシングを受けそうですが、私自身の経験からも、あえて強気に言ってみたい。

「働いていない年金受給者に3万円バラまく余裕があるなら、母子家庭世帯のお母さんにお金をあげて、働かなくても生きていかれるようにしてあげて!!」

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ひとり親家庭に対する国の支援をまとめたPDF。秀逸!保育士試験前に一度目を通したい資料です。
[PDF]ひとり親家庭の支援について – 厚生労働省

以前紹介した「こどもへのまなざし」を書かれた児童精神科医・佐々木正美先生の本。

ひとり親でも子どもは健全に育ちます: シングルのための幸せ子育てアドバイス (実用単行本)

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