
絵本の読み聞かせはこどもと養育者の大切なコミュニケーションの1つです。あたたかみのある声で、語り掛けるように目を見ながら読んであげれば、赤ちゃんがニコッと笑ってくれたり、おおっ!と驚いた顔を見せたり、いろんな反応を引き出せます。
本屋さんや図書館に行くと、たくさん絵本がありますが、最初のうちは「どの本を選んだらいいかわからない!」という保護者の方、保育士の方も多いはず。
0歳の赤ちゃんがよろこぶ絵本のキーワードは「くりかえし」が多いこと、鮮やかな色調の絵であること、「いないいないばぁ!」のリズムのようにメリハリがあるキーワードがあることです。
この点をふまえて、今回は0歳児にオススメの絵本を紹介します。
だるまさんシリーズ「が・の・と」(3冊化粧ケース入り) [ かがくいひろし ] |
だるまさん「が」、だるまさん「の」、だるまさん「と」という3シリーズが展開されています。一番スタンダードなのは、だるまさん「が」です。
・だるまさんが~~~どてっ!
・だるまさんが~~~ぷしゅーーー!
・だるまさんが~~~ぷっ!
などの単純な繰り返しですが、赤ちゃんの発音しやすい破裂音(「ぷ」など)が多用されており、一歳近くなってくると言葉をまねすることができます。また、読み聞かせる人が一緒に「どてっ!」のところでゴロンと横になったり、「ぷしゅー!」のところでうつぶせになって空気が抜けたような真似をすれば、赤ちゃんはおもしろがってキャッキャと笑います。8か月を過ぎると、赤ちゃんが自分でも真似できるようになりますよ^^とてもかわいいです。どてっ!のところでゴロンと寝転がるので、そのまま寝てしまうこともあります。寝かしつけにも最適の絵本です。
だるまさん「の」シリーズでは「目」「毛」「歯」などの、だるまさんのパーツがでてくるので、読み聞かせるときに、「○○ちゃんの目~~!」といいながら目元をさわってあげたりすれば、1歳ごろには「〇〇ちゃんの目はどこ?」と聞くと自分で目をおさえたりすることができるようになります!(^^)! 顔のパーツの名前を覚えるのにももってこいの絵本です。赤ちゃんに触って読むことができるので、スキンシップにもなります。
[赤ちゃん絵本]もこ もこもこ/谷川俊太郎・元永定正 |
有名な谷川俊太郎先生が物語をつくられた絵本です。なぞの物体が地面から「もこもこもこ」と生えてきて、「にょきにょきにょき」と出てきたキノコ?のような物体を「ぱく!」と食べてしまう…という謎の展開をする絵本です(笑)。大人には面白さがまったくわかりません。しかし、読み方の工夫次第で赤ちゃんは大爆笑です。
まず、「もこ」「もこもこ」のところで赤ちゃんに触り、ゆらしてあげます。(その時点で笑います)そしてにょきにょき生えてきたキノコ(?)を食べるところでは大きな声で「あーーーん!!!!ぱくっっっ!!」と言いながら食べる真似をします!もぐもぐもぐもぐ・・・というところで、赤ちゃんの目を見ながら何かを食べてるようなしぐさをします。(赤ちゃんは不思議そう~な顔をしてみつめてきます)「ぷ~~~~」とオデキ(?)のようなものが膨れてパチン!とはじけるところで、大きな声を出しながら手を広げます。その後、「ふんわふんわ」というところはゆっくり、優しい声で、静かに読みます・・・・
とても意味不明な解説になってしまいましたが、あまり文字がない絵本なので、読み聞かせをする人が工夫の余地がたくさんある絵本です。抑揚をつけながら、赤ちゃんの目をみて語り掛けるといろんな反応が返ってきます。
最後のページは赤ちゃんにめくらせてあげると、「もこ」っと変なものが出てくるという工夫つき。
10か月くらいになると、赤ちゃんが自分で「あーん、ぱくっ、もぐもぐ」などを真似するようになってかわいいです。
じゃがいもちゃん [ ひろかわさえこ ] |
じゃがいもちゃんが転がって、ぶつかって、洗われて、お鍋に入って、煮えたらどうぞ!という単純な展開の絵本です。ゴロゴロゴロと転がるところで、読みながら自分も転がります!(8か月くらいから赤ちゃんも転がります)その後、「ごっつんこっこ!ごっちんこ!」というところでは、赤ちゃんのおでこと自分のおでこを「ごっつんこ」させます。何度も読んでるうちに、赤ちゃんの方からおでこを寄せてきて、「ごっつん!」してきますよ^^これがかわいいのです。。
ゴシゴシと洗うところでは、赤ちゃんの腕に触ってゴシゴシこする真似をします。
「ほっかほか~できあがり!」となったところで、絵本の中からじゃがいもを取り出す真似をして、「さぁどうぞ」と言いながら赤ちゃんに差し出したり、自分で食べたりします。早い子では10か月くらいから、「ごっこ遊び」を理解して、「もぐもぐ」する真似ができます^^
この絵本はスキンシップできるタイミングがたくさんある絵本なので、読んでいる保護者・保育者も、読んでもらっている赤ちゃんも、両方楽しめる工夫がされています。
「私がこどものころ読んだ絵本とは、だいぶ違っているうなぁ」という印象を持った方も多いはずです。いまの絵本にもいろいろな工夫があって赤ちゃんとの良好なコミュニケーションツールとなっていますね。まだ言葉の意味を理解していない0歳児には、ストーリー性よりも、読み聞かせする人が赤ちゃんにボディタッチできる工夫がある絵本のほうが、お互いに楽しく読むことができますよ。
0歳児におすすめの絵本のポイントは、
1.「くりかえし」が多いこと
2.鮮やかな色調の絵であること
3.メリハリがあるキーワードがあること
です。
これを目安に、自分の読み聞かせしやすい絵本を探してみてくださいね。